風が、焼けつくような砂漠の熱を運んでくる。何もかもが、色を奪われ、灰色と黄土色の世界に溶けていた。私は、粘土板の冷たさを掌に感じながら、目を閉じた。すると、目の前に、鮮やかな光景が現れた。夢か、幻か。主の御手が私の上に重くのしかかる。
二羽の大きな鷲がいた。一羽は、その羽根が青銅のように光り、力強い翼を広げて、レバノンの香り高い杉山に舞い降りた。それは、威厳に満ち、全てを見下ろす者のようだった。鷲は杉のこずえの一番高い枝を摘み取った。それは新しく、柔らかい梢だった。鷲はそれを、商人の町へと運び、植木鉢に植えた。豊かな水の畔、大切に、丁寧に。
すると、それはひとつの葡萄の木となり、低くはあったが、しっかりと根を張り、枝を伸ばして葉を茂らせた。その枝は鷲の方へ、水をくれた者の方へと、しなやかに伸びていった。それは、見るからに健やかな木だった。
しかし、もう一羽の鷲が現れた。こちらは、羽の色がくすみ、大きな鷲ではあったが、どこか不安げな眼差しをしていた。葡萄の木は、この新たな鷲に気を引かれた。いや、誘惑されたと言うべきか。その根は、既に植えられていた鉢から離れ、枝は、最初の鷲から顔を背け、後から来た鷲の方へと熱心に向きを変えた。木は言った。「私に水をくれ」と。後から来た鷲は、うなずいたように見えた。
そして今、この葡萄の木はどうなったか。豊かな水辺に植え替えられたのに、それは栄えるだろうか。いや、東風が吹きつけ、灼熱の砂漠の息がそれを襲う時、その根はたちまちに干上がり、葉は枯れ落ちる。ひと茎残らず、実を結ぶ力もなく、火種にさえならぬ柴となってしまう。何という愚かさ。与えられた場所で、与えられた水に満足せず、約束だけにすがって根を動かすとは。
私は目を開けた。目の前には、相変わらず捕囚の地の、乾いた壁が続いていた。頬を伝う汗が、砂埃でできた道筋を描く。この幻の意味は、重く、痛いほどに明らかだった。
最初の鷲。あれはバビロンの王だ。彼はエルサレムの王と貴族たちを捕え、バビロンに連れて来た。その中の一人、ゼデキヤ。彼はまさに、あの摘み取られた杉の梢だ。バビロンの王は彼と契約を結んだ。誓いを立てさせ、王国を保証した。バビロンという豊かな水の畔で、生き延び、低くとも確かな木となることを許されたのだ。
しかしゼデキヤは、二羽目の鷲――エジプトに心を奪われた。助けを求め、誓いを破り、契約を裏切ろうとした。エジプトは確かに大きな鷲かもしれぬ。しかしその翼蔭は頼りない。砂漠の熱風を防ぐことはできまい。
彼は、なぜわからぬのか。主が言われる。「わたしは生きている。彼がわたしを軽んじて破った誓い、わたしが無視した契約は、必ず彼の頭上に降りかかる。」バビロンの王との契約も、実は主の御前で立てられたもの。それを蔑ろにすることは、主ご自身を蔑ろにすることだ。
東風が吹き始めた。肌を刺すような熱風だ。私はその風に身を任せ、遠く西の方、エルサレムのある方角へ顔を向けた。そこには、もう栄華の都はない。契約を破った王と共に、枯れ朽ちる運命が待っている。主の裁きは、この砂漠の風のように、避けようのない確かさで迫ってくる。
しかし…幻はそこで終わらなかった。主の言葉は、いつも絶望で幕を閉じるわけではない。もう一度、目を閉じてみる。枯れ野の向こうに、別の山々が見える。高い山、イスラエルの山だ。
主はこう言われる。「わたし自身が、高い香柏のこずえを摘み取る。柔らかい若枝を、その頂から折り取る。そして、わたしが、高いそびえる山、イスラエルの山にそれを植える。それは枝を伸ばし、実を結び、見事な香柏となる。あらゆる鳥がその下に宿り、あらゆる翼あるものがその枝蔭に住む。」
私の胸の奥で、微かな温もりが灯った。今は枯れ野に捨てられたこの葡萄の木の話は、確かに裁きの物語だ。しかし、主の手には、もう一つの植え替えがある。主ご自身が選び、主ご自身が植えられる、もう一つの木。それは、もはや人間の王の儚い契約によってではなく、主の不変の約束によって、確かに根を張る。
風は依然として熱い。目の前の現実は変わらない。しかし、この砂嵐の彼方に、一滴の雫の約束を聞いた気がした。それは遠い、遠い希望の響きだった。すべてが滅び、すべてが枯れ果てた後に、主の御手によってもう一度、緑が芽吹く日が来る。そのことを、この粘土板に、この幻の余韻と共に、刻みつけておかねばなるまい。苦くとも、甘くとも。これが、私に託された言葉なのだから。




