聖書

「エズラと民の悔い改め:異邦の妻との別れ」

**エズラ記10章に基づく物語**

イスラエルの民がバビロン捕囚から帰還してから数年が経ち、エルサレムの神殿は再建され、人々は再び神の律法に立ち返ろうとしていた。しかし、そのような中で、深刻な問題が起こっていた。多くのイスラエルの男たちが、周囲の異邦人の娘たちを妻として迎え、神の戒めに背いていたのだ。

預言者エズラはこのことを知り、深い悲しみに包まれた。彼は神殿の前で衣を裂き、髪の毛とひげを引き抜き、神の前にひざまずいて祈った。「ああ、神よ。私たちは先祖の罪を繰り返し、あなたの戒めを破りました。あなたは私たちを滅ぼしても当然なのに、今なお私たちを憐れんでくださり、捕囚から帰らせてくださいました。しかし、私たちは再びあなたに背き、異邦の民と結んでしまいました。神よ、どうか私たちを赦してください…」

エズラの祈りは、周りに集まった人々の心を揺さぶった。男も女も子供も、エズラの深い悔い改めに触れ、自分たちの罪を悟り、激しく泣き叫んだ。その中で、シェカニヤという者が立ち上がり、エズラに言った。「私たちは神に背いて、異邦の妻をめとりました。しかし、今、希望があります。神と契約を結び、これらの妻とその子供たちを離縁し、神の律法に従いましょう。エズラよ、立ち上がってください。このことはあなたの手に委ねられています。私たちはあなたと共にあります。勇気を出して行動してください。」

エズラは立ち上がり、祭司長たちやレビ人たち、そしてすべての民に、エルサレムに集まるように命じた。三日のうちに集まらなかった者は、その財産を没収され、共同体から追放されるという厳しい宣告がなされた。

三日後、ユダとベニヤミンの人々はエルサレムに集まった。その日は激しい雨が降り、人々は震えながらも、神の前に真剣な思いで立っていた。エズラは彼らに向かって言った。「あなたがたは異邦の民と結び、神の律法に背きました。今、あなたがたの罪を告白し、神の前に正しい道を歩むために、異邦の妻とその子供たちを離縁しなさい。」

民は答えていった。「あなたの言う通りにします。しかし、民が多く、雨も激しいので、すべてをこの場で処理することはできません。私たちの指導者たちが、すべての町々でこの問題を調べ、異邦の妻をめとった者たちを裁判にかけ、それぞれのケースを処理するようにしてください。」

そこで、エズラは代表者たちを選び、この問題を調査させた。三か月にわたる徹底的な調査の後、異邦の妻をめとった者たちの名簿が作成され、彼らはその妻と子供たちを離縁した。祭司の中にも、この罪に陥った者がおり、彼らは特別なささげ物を神に献げ、罪の赦しを求めた。

こうして、イスラエルの民は再び神の律法に立ち返り、異邦の民との混交を断ち切った。この出来事は、神の民としての聖さを保つことの重要性を、後の世代にも強く印象づけることとなった。

エズラは、この厳しい決断が民の信仰を純粋に保つために必要であったことを深く悟り、神の義と憐れみを賛美した。そして、民と共に、再び神の御言葉に従って歩む決意を新たにしたのである。

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