聖書

「ヨナの怒りと神の深い憐れみ」

ヨナの怒りと神の憐れみ

ヨナはニネベの町の外に腰を下ろし、焼けつくような太陽の下で、自分が作った簡素な小屋の陰に身を寄せていた。東からの熱風が彼の顔を焦がし、乾いた砂が舞い上がる中、彼の心は沸き立つ怒りで満たされていた。彼の目には、遠くに広がるニネベの巨大な城壁と、その中で暮らす無数の人々が見えた。

「なぜ……なぜこの町は滅びないのか」

ヨナは歯を食いしばり、拳を握り締めた。彼は必死に神の言葉を告げ、ニネベの人々が悔い改めるように叫んだ。彼らは確かに悔い改めた——王から庶民まで、すべての者が粗布をまとい、灰の中に座り、神の前に涙を流した。そして神は、彼らを滅ぼすことを思い直された。

「主よ、私がまだ国にいた時、あなたがこのような方であることを知っていたからこそ、私はタルシシュへ逃げたのです!」ヨナは荒々しく叫んだ。「あなたは情け深く、忍耐強く、慈愛に満ち、災いを思い直される方。私は死んだほうがましだ。生きているよりも良い!」

神は静かにヨナに問われた。「お前は怒るのは当然か?」

ヨナは答えず、荒野の彼方を見つめた。彼の心は、自分が正しいと確信していた。ニネベは悪の町だった。彼らは暴力に満ち、神を恐れず、罪の中に溺れていた。彼らは滅びるべきだった。

すると、神は一本のとうごまの木を一夜のうちに芽生えさせ、ヨナの頭上に広げた。その葉は厚く、緑豊かで、灼熱の太陽から彼を守った。ヨナはその陰に喜び、心に安らぎを見出した。

しかし、翌日の夜明け、神は一匹の虫を送り、とうごまの木を枯らされた。太陽が昇ると、激しい東風が吹きつけ、ヨナの肌を焼き、彼の唇は乾き、頭はくらくらした。

「私は死んだほうがましだ!」ヨナは再び叫び、自分自身を呪った。

すると神は言われた。「お前はこのとうごまの木のことで怒るのか。お前はそれを育てたわけでも、苦労して成長させたわけでもない。一夜にして生じ、一夜にして滅びたものだ。それならば、わたしはこの大きな町ニネベを惜しんではならないのか? ここには、右も左もわからない十二万もの人々がいる。無数の家畜もいる。彼らが悔い改めたのを見て、わたしが憐れむのは当然ではないか?」

ヨナは黙った。彼の怒りは、神の広大な愛の前に小さく見えた。彼は自分がどれほど狭い心でいたかを悟った。神はただ正しい裁きを行う方ではなく、すべての者を救いたいと願われる方だった。

風が吹き、砂が舞う中、ヨナは涙を流した。彼は神の憐れみの深さを知り、自分の傲慢さを恥じた。そして、ニネベの町を見つめながら、彼は静かに祈った。

「主よ……あなたの御心のままに。」

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