聖書

ノアの箱舟と神の虹の約束

**ノアの箱舟と神の約束**

大洪水が四十日四十夜続いた後、神はノアと、箱舟の中にいたすべての生き物を心に留められた。神は風を地の上に吹かせ、水は次第に引き始めた。深淵の源も、天の窓も閉ざされ、天からの激しい雨は止んだ。水は地の面から引いていき、百五十日の後には減り始めた。

第七の月の十七日、箱舟はアララテの山の上に止まった。水はますます減り、第十の月には、山々の頂が現れた。それから四十日後、ノアは箱舟の窓を開け、一羽の烏を放った。烏は地の水が乾くまで、行ったり来たりしていた。

その後、ノアは一羽の鳩を放ち、地の面から水が引き始めているかどうかを見ようとした。しかし、鳩は足を休める場所が見つからず、箱舟のノアのもとに戻ってきた。水がまだ全地を覆っていたからである。ノアは手を伸ばして鳩を優しく受け取り、再び箱舟の中に入れた。

さらに七日待って、ノアは再び鳩を箱舟から放った。鳩は夕方になってノアのもとに戻ってきた。すると、見よ、そのくちばしには、新しく摘んだオリーブの葉があった。ノアは、水が地上からかなり引いたことを悟った。それからさらに七日待ち、もう一度鳩を放つと、今度は二度とノアのもとに戻ってこなかった。

ノアが箱舟の覆いを取り除いて外を見ると、地の面は乾き始めていた。神はノアに語りかけて言われた。

「あなたは、あなたの妻と、あなたの息子たち、そして息子たちの妻たちと共に箱舟を出なさい。すべての生き物、鳥も家畜も地を這うものも、共に連れ出しなさい。彼らは地に群がり、地の上で子を産み、増えるように。」

ノアは神の御言葉に従い、家族と共に箱舟を出た。また、すべての動物、這うもの、鳥たちも、種類ごとに箱舟から出て行った。ノアは主のために祭壇を築き、すべての清い動物と清い鳥の中から選び、焼き尽くす捧げ物として祭壇の上に献げた。

主はその香りをかいで心に喜び、こう思われた。

「わたしは、もう二度と人のゆえに地を呪わない。人が心に思うことは、幼い時から悪いのだから。わたしは、もう二度と、すべての生き物を、このように滅ぼすことはしない。地のある限り、種蒔きの時も、収穫の時も、寒さも暑さも、夏も冬も、昼も夜も、やむことはない。」

そして神はノアとその息子たちを祝福し、彼らに言われた。

「生めよ。増えよ。地に満ちよ。すべての地の獣、空の鳥、地の上を這うものは、あなたがたを恐れおののく。わたしは、これらすべてをあなたがたの手にゆだねる。動いて命あるものは、あなたがたの食物となる。緑の草と同じように、すべてを与える。しかし、肉を、その命である血のままで食べてはならない。あなたがたの命の血を、わたしは必ず要求する。すべての獣からも、人からも、わたしは人の命を要求する。人が兄弟の血を流すなら、その人の血も、人によって流される。なぜなら、神は人を神のかたちとして造られたからだ。」

神は再びノアとその息子たちに語りかけ、こう約束された。

「見よ、わたしは、わたしとあなたがた、そしてすべての生き物との間に、代々にわたる契約を立てる。わたしが雲の中に虹を置くとき、それはわたしと地との間の契約のしるしとなる。わたしが地を覆う洪水を起こすことは、もう二度とない。虹が雲の中に現れるとき、わたしはそれを見て、神とすべての生き物との間の永遠の契約を思い出す。」

こうして、神はノアと、彼と共にいたすべての生き物と契約を結ばれた。地は再び命で満ち、神の約束は永遠に堅く立った。

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