聖書

「重い皮膚病からの清めと神の憐れみ」

**「癒しと清めの儀式」**

レビ記14章に記された、重い皮膚病から癒された者の清めの儀式は、神の深い憐れみと聖なる秩序を表すものであった。その日、荒野の民の中にツァラアト(重い皮膚病)から癒された者が現れたとき、祭司アロンの子エルアザルは神の指示に従い、厳粛な儀式を執り行うこととなった。

### **第一の儀式:野にある清め**
癒された者は、まだ宿営の外に留まっていた。彼の肌はかつて白く爛れていたが、今は健やかになっていた。しかし、完全な清めのためには、祭司の確認と神が定められた手順が必要であった。

エルアザルは宿営の外へ出て、その男を詳しく調べた。かつて病んでいた部分が完全に癒え、新たな肉が生じているのを見て、彼は頷いた。「主がお前を清められた。今から清めの儀式を始めよう。」

祭司は二羽の生きている清い鳥、杉の木、緋色の糸、そしてヒソプを取るよう命じた。一羽の鳥は、素焼の器の上で流れる水の上で屠られ、その血はもう一羽の生きている鳥と共に、杉の木、緋色の糸、ヒソプに振りかけられた。生きている鳥は、野に放たれ、自由の空へと飛び立った。これは、罪と汚れが遠くへ取り去られることを象徴していた。

男は衣服を洗い、体の毛をすべて剃り、水で身を清めた。七日間、彼は自分の天幕の外に留まった。

### **第二の儀式:完全な清めと贖い**
七日目、男は再び祭司の前に立った。彼は再び身を剃り、衣服と体を洗った。そして、祭司は贖罪のためのいけにえをささげるよう指示した。

無傷の雄の小羊一頭が罪過のためのいけにえとして捧げられ、その血は男の右耳たぶ、右手の親指、右足の親指に塗られた。さらに、油が同じように塗られ、残りの油は男の頭に注がれた。これは、彼の全身が主の聖別を受けることを意味していた。

「あなたは清められた」とエルアザルは宣言した。「主の御前に行くことが許される。」

男は深く頭を下げ、涙を流した。かつて人々から隔てられ、孤独の中にいた彼が、今や再び神の民の一員として迎え入れられる。この喜びは、言葉では表せないほど大きかった。

### **神の慈しみと聖なる秩序**
この儀式は、単なる形式ではなく、神の民が聖なる者として歩むための教えであった。ツァラアトは罪や汚れの象徴として扱われ、その清めは、神の赦しと回復を表していた。

イスラエルの民は、この儀式を通して、神がどれほど細やかに人の苦しみに目を留め、清めと回復を与えてくださるかを学んだ。そして、それは後の時代に来られる、真の清め主イエス・キリストの贖いを指し示すものでもあった。

こうして、主の律法に従い、癒された者は再び共同体に加わり、神の祝福の中を歩み始めたのである。

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