**出エジプト記33章の物語**
荒れ野の砂塵が舞い上がる中、イスラエルの民はシナイ山のふもとに陣を張っていた。彼らは、金の子牛を造り、主なる神を怒らせた罪の重さに打ちひしがれていた。主はモーセに告げられた。「わたしがかつてアブラハム、イサク、ヤコブに誓った約束の地へ、あなたと民を導く。しかし、わたしはあなたがたのただ中に進むことはしない。あなたがたはかたくなな民だから、わたしが道中であなたがたを滅ぼすかもしれない。」
この言葉を聞いた民は深く悲しみ、喪服を着て悔い改めた。彼らは、主の臨在が共にないということがどれほど恐ろしいことか、初めて悟ったのだ。
モーセは、会見の天幕を宿営の外、遠く離れた場所に設けた。これは、主が民と直接交わることがないようにするためであった。民のうち、主に尋ねようとする者は皆、この天幕へ出て行った。モーセが天幕に入ると、雲の柱が降りてきて幕屋の入口に立ち、主はモーセと語り合われた。民は皆、自分の天幕の入り口に立ち、モーセが天幕に入るのを見届け、雲の柱が現れると、ひれ伏して礼拝した。
主はモーセと顔と顔を合わせて、人が友と語るように語られた。モーセは心に激しい痛みを覚えながら、主に懇願した。「あなたは、私にこの民を導けと命じられました。しかし、あなたご自身が私たちと共に進んでくださらないなら、どうして私たちがここから上ることを知ることができるでしょうか? どうか、あなたの御前で私が恵みを得ていることを示し、あなたの道を教えてください。そうでなければ、この民は他のどの民とも区別されないではありませんか。」
主はモーセの願いを聞き入れ、答えられた。「わたし自身が同行し、あなたに安息を与えよう。」しかしモーセはなおも願った。「もしあなたの御顔が共に行かれないなら、私たちをここから上らせないでください。あなたの民であることは、何によって知られるのでしょうか? あなたが私たちと共におられ、私とあなたの民が地のすべての民と区別されるのは、まさにこのことによってではありませんか。」
主はモーセの熱心な祈りに心を動かされ、ついに言われた。「あなたの願うこの事も、わたしは行おう。あなたはわたしの目に恵みを得ている。わたしはあなたを名によって知っているからだ。」
するとモーセはさらに大胆に願った。「どうか、あなたの栄光を私に見せてください。」
主は答えられた。「わたしは、すべての良きものをあなたの前を通らせ、あなたの前に主の名を宣言しよう。わたしは恵もうとする者を恵み、憐れもうとする者を憐れむ。しかし、」と主は続けられた。「あなたはわたしの顔を見ることはできない。人はわたしを見て、なお生きることはできないからだ。」
そして主は、岩の裂け目を指し示し、モーセに言われた。「見よ、あなたはその岩の上に立ちなさい。わたしの栄光が通り過ぎるとき、わたしはあなたを岩の裂け目に入れ、わたしが通り過ぎるまで手であなたを覆おう。そして、わたしの後ろを見るがよい。しかし、わたしの顔は見ることはできない。」
こうして、主はモーセにご自身の栄光の一端を示され、彼をイスラエルの民を導く者としてさらに強められた。モーセは、主が共におられることの確かさを心に刻み、民を約束の地へと導く使命に立ち返ったのである。