**エゼキエル書17章に基づく物語**

ある日のこと、預言者エゼキエルは神からの幻を見た。彼の前に広がるのは、レバノンの香り高い杉の木の姿であった。その木は高くそびえ、枝は空に届き、深く根を張って豊かな水の流れのほとりに育っていた。その威容は、すべての木々の王のようであり、あらゆる空の鳥がその枝に巣を作り、野のあらゆる獣がその陰で休み、多くの民がその保護のもとに集うほどであった。

しかし、神の声がエゼキエルに響いた。
**「人の子よ、イスラエルの家にたとえと謎を語れ。」**

エゼキエルは神の言葉を聞き、民に語り始めた。

**「大きな鷲がレバノンに飛来し、杉の木の頂を摘んだ。その鷲は豊かな貿易の民を象徴するバビロンの王であった。彼は杉の木の若枝を摘み取り、商人の地に運び、商いの町に置いた。また、彼はその地の種を取り、肥沃な土地に植えた。それは柳の木のように育ち、低い木となって広がり、その枝は鷲に向かって伸び、根は鷲の下に張った。それは、バビロンの王と契約を結んだユダの王ゼデキヤの姿であった。」**

しかし、神はもう一羽の鷲のことを語られた。
**「もう一羽の大きな鷲が現れた。エジプトの王である。すると、植えられた木はこの新しい鷲に向かって根を伸ばし、枝を広げ、水を求めた。それは、ゼデキヤがバビロンとの誓いを破り、エジプトに助けを求めたことを意味する。」**

神の声は厳しく響いた。
**「この木は生き残るだろうか。いや、根が引き抜かれ、実がむしり取られ、すべての葉は枯れる。強い腕も多くの民も、これを救うことはできない。契約を破り、誓いを無にする者は、わたしの裁きを免れない。」**

そして、神はもう一つの約束を語られた。
**「しかし、わたしは自ら、高い杉の若枝を取って植える。それは柔らかい若枝であり、わたしが高い山に植え、枝を伸ばし、実を結ばせる。すべての鳥がその陰に宿り、野の木々は主であるわたしが高い木を低くし、低い木を高くすることを知る。わたしがこれを成し、語ったことを、必ず行う。」**

エゼキエルはこの幻を深く心に刻んだ。神は、人間の策略や政治的な駆け引きを超えて、ご自身の計画を成し遂げられる方であった。たとえ民が契約を破り、罪の中に堕ちても、神は真実を守り、ご自身の約束を果たされる。やがて来るべきメシアの王国こそ、この枯れた木に代わる真の希望であった。

こうしてエゼキエルは、神の言葉を民に伝え、彼らが悔い改めて真の神に立ち返ることを願いながら、預言者としての使命を果たし続けたのである。