聖書

「試練を越える信仰の歩み」

**信仰の堅固な土台**

荒野の彼方から吹きくる熱風が、乾いた砂を舞い上げていた。太陽は灼熱の光を降り注ぎ、荒れ地に生きる者たちの皮膚を焼きつける。そのような厳しい環境の中、一つの共同体が信仰を守り続けていた。彼らはかつて、暗闇の中にいたが、神の光に照らされ、天の賜物を味わい、聖霊の力を体験した者たちであった。

しかし、時が経つにつれ、彼らのうちの幾人かは、初めの熱心さを失い、信仰の歩みが鈍くなっていた。試練が訪れるたびに、彼らはつまずき、疑い、時に神の約束を忘れそうになった。

そんなある日、共同体の長老であるエリアサルは、神からの啓示を受け、人々を集めて語り始めた。

「兄弟たち、わたしたちはすでに、キリストについての初歩の教えを学び、悔い改めと信仰、洗礼、按手、死者の復活、永遠の審判といった基礎を固めました。しかし、今こそ、さらに前進すべき時です。一度光を受けて天の賜物を味わい、聖霊にあずかった者が、もし堕落するならば、もう一度悔い改めに立ち返ることは難しいのです。」

人々は静かに耳を傾けた。彼らの顔には、かつての確信と、今の不安が入り混じっていた。

エリアサルは続けた。

「土地が、度々降る雨を吸い込み、耕す人々のために役立つ作物を生じさせるなら、神の祝福を受けます。しかし、いばらやあざみしか生じないなら、それはのろわれ、やがて焼かれるほかありません。愛する者たち、あなたがたの場合は違うと、わたしは確信しています。あなたがたは、神の御心のために労苦し、聖徒たちに仕える愛を示してきました。神は正しい方であり、あなたがたの働きを忘れられることはありません。」

彼の言葉は、人々の心に深く刺さった。ある者は涙を流し、ある者はうなずき、再び信仰に立ち返る決意を新たにした。

「ですから、あなたがたは、怠惰になることなく、約束の相続人となるために、信仰と忍耐をもって、神の約束を受け継ぐ者となりなさい。」

エリアサルは、アブラハムのことを例に挙げた。神はアブラハムに約束を与え、彼は忍耐強く待ち続けた。そして、神はご自身の誓いによって、その約束を確かなものとされた。この約束は、わたしたちにとって、揺るぐことのない希望の錨であり、それは天の聖所に入られたイエス・キリストによって堅く保たれているのだ、と。

人々は、この言葉を聞き、心に平安を見出した。彼らはもう一度、信仰の初めから終わりまで、揺るがずに歩み続けることを決意した。

こうして、その共同体は、試練の中にあっても、神の約束を堅く握り、愛と奉仕の業に励む者たちへと変えられていった。彼らの信仰は、雨に潤された良い地のように、豊かな実を結び、神の栄光を現すものとなったのである。

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