**穢れと清めの物語**

ある日のこと、イスラエルの民が荒野を旅しているとき、レビ族の祭司アビアタルは、主からモーセを通して与えられた律法を民に教えていました。その中には、身体から出る分泌物に関する規定があり、人々は神の前に清くあるために、細かく守る必要がありました。

### **不浄の男**
そのころ、ベニヤミン族のエリアブという男がいました。彼はある日、自分の体から異常な分泌物が出ていることに気づきました。レビ記15章に記されているように、その分泌物は彼を「不浄」な状態としました。エリアブはすぐに自分の状態を悟り、悲しみに沈みました。神の民として、聖なる集会に加わることが許されず、触れるものもすべて穢れてしまうからです。

「ああ、主よ。どうして私にこのようなことが起こったのでしょうか……」
彼は嘆きながら、すぐに家族に自分の状態を伝え、人々から離れて暮らす決意をしました。家の隅に小さな仮の住まいを設け、誰とも接触せず、清めの時が来るのを待つのです。

### **清めの儀式**
七日目、エリアブの分泌物は止まりました。彼は喜び、すぐに祭司のところへ行き、清めの儀式を受ける準備をしました。祭司は彼に命じました。

「清めのため、二羽の山鳩か家鳩を用意せよ。一羽は罪の贖いとして、もう一羽は燔祭としてささげるのだ。」

エリアブは急いで鳩を調達し、祭司のもとへ持っていきました。祭司は彼のため、主の前に犠牲をささげ、彼の罪を贖い、清めを宣言しました。こうして、エリアブは再び神の民の共同体に加わることが許されたのです。

### **女性の苦しみと信仰**
同じころ、ダン族の女性、デボラも苦しんでいました。彼女は長い間、婦人の病に悩まされ、レビ記の定めるところにより、不浄とされていました。彼女は夫や子供たちに触れることもできず、孤独な日々を過ごしていました。

「主よ、私を憐れんでください。いつまでこのような状態が続くのでしょうか……」
彼女は涙ながらに祈り続けました。

しかし、ついにその期間が終わり、彼女もまた清めの儀式のために鳩を用意し、祭司のところへ行きました。祭司が犠牲をささげ、彼女のために祈ると、デボラの心は晴れやかになりました。

「主は真実なお方だ。私の祈りを聞き、清めてくださった！」

### **民の教訓**
このような出来事を通して、イスラエルの民は学びました。神は清い方を愛し、汚れを嫌われる方です。しかし、同時に、悔い改めと正しい犠牲によって、人は再きよめられることを示されました。

「私たちは主の前に、常に清くあるべきだ。」
民は互いに戒め合い、神の律法を守ることを誓い合いました。

こうして、レビ記15章の教えは、単なる規則ではなく、神の聖さと、民の信仰を試すものとして、深く心に刻まれたのでした。